超格差!36億人と富裕層62人が同資産総額

1876年のロンドン
                                                   (写真は1876年のロンドン)
「世界に男なんて星の数ほどいる」とブルゾンちえみさん。
同様に、世界の下半分の人達も星の数ほどいる。
その星々がバス一台の定員に負けた。

少し意地の悪い聞き方で人に聞いてみた。
「世の中は凄い格差社会。では、世界の下位50%の総資産合計は上位何%が持っていると思う?」
「凄いというくらいだから1%をきるんじゃないかな」

完全にひっかけた聞き方である。1%なら7000万人いる。世界の現状はもっと深刻で62人である。
これは貧困撲滅に取り組む国際NGO「オックスファム」の調査。
世界ので最も裕福な62人が保有する資産は、世界の人口のうち経済的に恵まれない下から半分にあたる約36億人が保有する資産とほぼ同じだという。経済格差が拡大しているとしており、彼らは各国政府に是正への取り組みを呼びかけており、世界の多くのメディアがこの情報を発信している。


写真をアフリカにすべきかと思ったが、アフリカはもう数年前のアフリカではない。
ケニアの首都のナイロビでは車が町を普通に走り、高層ビルも普通に立っている。
そして、彼らは少子化で悩んでいるわけでもなく、むしろ人口爆発であるから、治安を良くし、国民の教育を高めていけば、元々の賃金が先進国より安いので、外資が工場を建設するなどして進出し、順調に成長していくことだろう。

ただ、アフリカと言っても広いので、昔ながらの貧困の風景はあるのかもしれないが、それもグローバリゼーションの進展により彼らを豊かにしていくだろう。

世界は平準化していく。豊かな国の賃金は下がりやすく、貧しい国は発展しやすい。これが今世紀の公式である。

アフリカの貧困はそれとして問題を抱えているのだろうが、「先進国の貧困」「日本の貧困」がより社会問題化すると見ている。
こちらは夢も希望もない。アフリカは夢と希望がある。
「世界は平準化する」つまり新興国は上がり、先進国は生産性の高い先端領域を開拓できなければ落ちていく。

世界で最もいらない人間は、もちろん本来はいらない人間などはいないのだが、では言葉をかえよう。
市場価値が最も低い人間と表現しようか。それは・・・、先進国の平均的な庶民である。
世界の基準からすると、やっていること、能力の割には、これでもまだまだ賃金が高い。

この問題の根は深い。これは移民を入れずに関税を上げれば解決する問題ではない。ただこの話題を続けるとトランプ大統領の話になるので今回は避けたい。

先進国の貧困を考えていこう


OECDの貧困率

いかにして無成長日本は未来を乗り切るのか?

同じ価値の労働を新興国の労働者がより安い賃金で行い、そして製品を作り、日本はそれを輸入する。BRICSの次はベトナムやインドネシアか?すると日本もコストを下げざるを得ず、その結果、今後にわたり、賃金は下へ下へと押し下げられる。

それは賃下げにとどまらず、職を外国人に奪われる人も出てくるかもしれない。ま、出るだろう。そして奪うのは移民とは限らない。
日本に輸出する製品を作っている外国の低賃金労働者も日本人には脅威である。
安い輸入品に負けて潰れたり、価格を下げるために賃下げをしなくてはならなくなる。

そうなると柔軟にセーフティネットを敷いて救っていく国家でなければ国が壊れてしまう。
ということで、将来はともかく、今の社会保障は他の先進国と比べてどうだろうか?

社会保障支出に関しては、日本はドイツ、フランス、スウェーデンのような大陸EU諸国よりは、やはり格段に落ちる。イギリスとほぼ同じ。ただし内容は大きく異なり、高齢者への支出がずば抜けて多いのが日本。
ここには先陣を切って少子高齢化した日本の社会問題がうかがえる。

ところでアメリカの貧困問題は深い。ハーバード大学といった一流大学の学費総額が日本円にして5千万円。つまり、庶民に生まれたら階級を乗り越えることは無理であろう。

堤未果氏の『貧困大国アメリカ』によると、政府支出の割合以前に、国家の仕組みが1%の富裕層のために設計されており、99%はそのせいで割を食っている。

たとえば、かりに貧しい秀才がどこかの州立大学を奨学金で卒業しても、企業によって一流大学卒と初任給の時点ですでに大きな差をつけられる。そもそも学士をインテリ扱いする国ではない。あの国でエリートになりたいのならバカ高い学費を払い続けて名門私立の大学院を出なければならない。もしそれ以外の道をたどると、医療も満足に受けられない。

そんな学費はない? そうですか・・・、残念でしたね。となる。

最近のアメリカの大都市の大学キャンパス近くはホームレス学生のテントでいっぱいである。

読むほどに陰惨な気分になったことを覚えている。
経済成長が見込めない日本で、あの社会設計になったら、日本の庶民は深刻なことになる。そしておそらくそうなるだろう。

では原題に帰り、話題を世界の超格差問題に寄せていく。
このような有史以来の超格差はなぜ起きるのか。

詳細はのちに譲るとして簡単に言うと

多国籍企業が政府に優越しているのである。
多国籍企業はもっとも法人税の安い国に自由に移動できる。
多国籍企業は法人税が安く市場の拡大が見込める新興国によく移動する。
日本でも利益の過半を海外で出している日系企業は多い。

そして政治は献金やコネクションを通じて富豪が支配している。
それゆえ世界はこんなスーパー超格差社会になった。政治による再分配ができていない。
再分配とは富豪や多国籍企業から多く徴税して、中流以下に配る政治行為のこと。
国によってはもっと再分配すべきところをを、何らかの思想を掲げて、できない以前にやろうともしていない。


愚劣な話だが、アメリカでは大統領選挙で最も献金した人が伝統的に駐英大使になるらしい。
お金さえあれば頭が少しボケていてもなれる。
そんなありさまだから、能力的にあまりにひどくて問題になった駐英大使がいた。

そして、このように政治権力にもタッチできる富豪は海外に逃避もできる。
タックスヘイブン等である。

現代社会に突き付けられた課題は重く大きい。
リベラル派の巨人、アメリカのジョン・ロールズは功利主義 (今でいう市場原理主義) にたいして批判をし、リベラリズムの“正義”を説いた。
別に多国籍企業や大富豪は何も他人の妨害や悪さをしたわけではない。
しかし、そこに“正義はない”とロールズは言うだろう。
また富豪の貯金はマネーゲームの投機資金になるだけで経済の成長にも特に大きな寄与はない。

冒頭のイギリスの昔の写真を見てほしい。これは貧国の写真ではなく、七つの海を支配した大英帝国全盛の時のロンドンの写真である。

繁栄のイギリスは自由を何よりも重んじ、自由放任政策のもと、この風景は起きた。
平等から競争へと舵を切り、あげくとんでもない格差社会を地球上に造ってしまった現代。

今こそ世界的にリベラルの存在が重くなっていくと思うのだがどうであろう?

リベラル界隈の権威の話を持ち出そう。

米国などで保護主義が高まる背景には、経済市場は世界規模だが、民主主義は世界を包括する規模ではなく政治が国家単位にとどまることがある。各国の選挙で選ばれた指導者は国境のないグローバル市場を変えられず、国内に生じたひずみに対処できない。富の一極集中で格差是正は不可能となり、失業や格差にあえぐ人々の不満が増大する。

 液状社会 (※液体のように流動的で変質しやすい社会の意味) では、こうした不満を抱く有権者が、新しい物を欲する「消費者」のように振る舞う。国境を閉じて市場を国内にとどめようと、新たな指導者を「買い」求めるのだ。それがEU離脱を決めた英国や、トランプ氏が大統領となる米国が象徴するポピュリズム(大衆迎合主義)の源だ。 

                                                ~ジャック・アタリ~

アタリ氏はフランスの思想家で元大統領特別補佐官、元欧州開発復興銀行初代総裁
アタリ氏の言葉を汲むならば、経済だけが国境を越え、暴走して様々な問題を巻き起こしている現代は、これを解決する手段としては世界共通の“正義のルール”を作り、違反した国には国連で全会一致に近い形で制裁決議をしたいということか。

モンサントやらカーギルやらといった多国籍企業は、たとえば南米の小さな国の政府より力が強い。
多国籍企業は政府に対していつも強気で居られる。
「雇用を生み出し、税金も払い、さまざまに経済の良い波及効果を産みだす俺様に、あんたら政府さんは何を強気に言っているの?」
「法人税を上げるなら撤退するよ? そうそう、今思った! 上げるどころか下げてくれませんか?」
今や力関係は一方的である。

特効薬があるとは思えないが、もう一度深く考えなければいけない。格差問題は急速膨張的に拡大のペースを早めている。

こんな時代である。リベラル陣営の役割が重くないはずがない。                            

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keita

Author:keita
メディア、コンサルト会社勤務を経て独立。
執筆ば大手雑誌や小さな新聞にペンネームで記事をたまに。

じっくりと歴史や政治経済のあるべき姿を丁寧に書いていきます。
更新不定期。

過去に10,000部弱の人気メルマガとなったネタもたまに掲載予定。メディア、コンサルタントの視線からもう一度日本の原点回帰の土台になりたいと考えます。

趣味と実益を兼ねたブログにしたいところでしたが、調べると実益はないらしい。

「俺の言ったとおりだろ?」とこのブログを証拠としたい。つまり趣味。

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